6

1

2

3

4

5

以下文字バレ

ハゲ「せい!」

「せいっせいっ!」

「「せいいっ!!!」」

組み体操の技のようなものを披露するハゲーズにストップをかけるソーマ。

ソーマ「いや ストップストップ!せい!! じゃなくて!」

頭の中を整理しはじめるソーマ。

ソーマ「えーっと… りんどー先輩が出てきたと思ったら葉山が出てきて堂島先輩まで現れた挙句に…」

「何でこの人まで北海道に……?」

久我「そんな言い方ないっしょー幸平ちぃん」

ソーマの前に立つ久我

「幸平ちんのために遠路はるばる来たってのにさぁ」

ソーマ「へ………俺のため?」

久我「要らないのぉ?この香辛料」

香辛料の言葉にぴくっと反応するソーマ

「土地勘もない所で十傑メンバーと勝負させられるって聞いたからね」

「幸平ちんが心細くて泣いてるんじゃないかってアタシ心配だったっ」

「それで少しでの力になれたらって駆けつけたのっ!!」

白い目で見ているソーマ

久我「って何で無反応なのさ」

ソーマ「だって先輩がその口調の時って心にもないこと言ってる時だから…」

久我「何言ってんの わざわざ北海道まで来てテキトー言うわけないっしょー!」

ソーマ「おぉ…マジすか!」

笑顔になるソーマ。

ソーマ「やー 助かりますわ!ほんと難儀してたんで~」

久我「ただし!条件があんだよねー」

ソーマ「条件…?」

ふざけた態度だった久我の表情が鋭いものに変わる。

久我「挑んでよ『食戟』」

「葉山アキラにさ」

「ヤツのいる“第九席”を賭けて!」

ソーマ「…………へ?」

久我「せっかくぶつかる機会なんだよ?派手に食戟っといたらいいじゃなーい?」

ソーマ「えぇ…?な なんで?」

「だいたい食戟やるならそれなりの対価を賭けなきゃダメなんすよね?第九席に見合う対価(もん)なんて俺持ってたかなー」

久我「そこは口八丁でどうにかなるっしょー!」

「挑発すれば葉山アキラは絶対のってくるって!」

「プライドとか高そーだしさ」

ソーマ「や けど…何で久我先輩がそんなこと…」

久我「俺はねー幸平ちん」

「いまの遠月が面白くなくてしょーがないんだよね」


竜胆とのやり取りを思い出す久我。

~回想~

荷造りをしている竜胆のもとを訪れる久我。

久我「北海道行くんだって?りんどー先輩」

久我の頬をつねる竜胆

久我「いだだだだだ」

竜胆「おまえなー!いくら電話してもシカトしやがって―――!! いつまでも不貞腐れてんじゃねーぞー こらー!?」



久我「フンだ」

「どーせオレはもう十傑じゃないもん」

竜胆「………」

久我「けど新しいあそび方を思いついたからいいんだっ」

竜胆「ん?」

久我「もう俺には失うものは何もないからねー…」

「だから来る進級試験は俺が思う存分」

「ある程度ぐちゃぐちゃにするからっ」

竜胆「好きにしろよ」

「お互い楽しまなきゃなっ」

くす…と笑う竜胆。


【回想おわり】


久我「葉山アキラは十傑としての権限と中枢美食機関(セントラル)の後ろ盾を持ってる これに単騎で挑むのはただのムボーってもんだよ」

ソーマ「やー でも久我先輩の力借りすぎるのもなー…」

久我「なに言ってんの これは俺のためでもあるんだっつーの!」

ソーマ「?」

久我「幸平ちんが葉山たおすっしょ?んで十傑入るっしょ?」

「んで その後俺と食戟するっしょ?圧勝っしょ?俺がぶじ十傑に返り咲き出来るってわけよー!みんなハッピー!」

ソーマ(ん…?いま何か気になること言ったような…)


久我「ま…あくまで皿を出すのは幸平ちんだよ」

「サクッと葉山アキラ倒しちゃってー」

ソーマ「………」

腕をまくるソーマ。

ソーマ「んまぁ 食戟うんぬんは善処してみますわ」

「とにかくスパイス!ありがたく使わせてもらうんで!!」

「熊肉の試作こっから本格的にスタートっす!!」

熊肉の調理をはじめるソーマ。
香辛料を使い焼いていく…出来上がったのを味見する久我。

久我「ダメダメ!ダメだね!香辛料の組み合わせがまだまだ全然なってないよー!」

「たのむよ幸平ち~ん!」

ソーマ(なぜか当然のように味見係に収まってる…)

「んじゃあ次は“熊鍋”も食ってもらえますー?」

「ネギや春菊そして赤唐辛子(辣椒ラージャオ)と一緒に長時間煮込んで熊の匂いをやわらかくする料理っすね」

「地方ごとに特色あるって聞きますけど…とりあえず基本のやつを作ってみました」

スープを取り分ける久我。

久我「あっはぁ…いい仕上がりがね」

汁を口にする。

「!」

次に熊肉を食す。

肉汁が口内に広がり満足気な表情の久我。



久我「………いいね!!」

「熊の臭みがいい感じに消えて… どっしりした風味の肉汁と出汁が溶けあってる!」

ソーマ「熊鍋は…臭い消しに“味噌”を利用してるのも特徴っすよね」

久我「うむ!その通りじゃのう」

「香辛料だけじゃなくて他の材料との組み合わせも考えなきゃって事だ クセの強い肉をヨーグルトに漬けこむなんてのもよく知られたテクっしょー」

「……で?どーすんの?熊鍋で行くの?」

「ん――…でもこれじゃ俺自身の料理って感じでもないすからね」

「葉山はきっとアイツにしか出せない熊料理を創り上げてくる 俺も俺にしか創れない何かに辿り着かなきゃ…ぜったい勝ち目はないでしょーね…」

熊肉を眺めながら考え込むソーマ

(ちっくしょー… この独特の臭みさえなきゃあ楽チンなのになぁ)

何かに気づくソーマ。

(…待てよ)

(例えば納豆!例えばチーズ!)

(こいつらも特有の匂い…臭みが美味しさの元になってる食材じゃねーか!)

(つまり臭みってのは敵じゃない!)



(『臭さ』は『旨さ』の源になる大事な要素だ…!)

(ゆきひらの常連客も酒のアテにゃ匂いがキツイもんほど喜んでたもんな…)

(熊肉の匂いを活かせないのは)

(俺が熊って素材の事をまだ何も分かってねーから……)


ソーマ「…久我先輩!」

「久我先輩って四川料理とどんなかんじで出会ったんすか?四川料理が得意になった最初のきっかけとか……」

久我「ん?あぁ俺ん家お金持ってたからねー」

ソーマ「おかね?」

久我「子供の頃から親といっしょに海外いろいろ行っててぇー」

「小学生の頃にはもう本格中華を食べ歩いてたわけよー」

背景には久我照紀9歳の絵

ソーマ(言われてみりゃ いいとこのどら息子っぽい雰囲気あるな…)

久我「それに十傑入してからも第八席の権限フル活用して四川・湖南・貴州省とか行きまくってたしね」

「とにかく現地の…現場の空気を味わいまくるのは大事だよねー」

ソーマ「現場……か…………」

「山に入ってみたいっすね……」

ボソっと呟く言葉に久我が反応する。

ソーマ「この素材が活きてた場所のことを知りたい 実際にその現地を歩いてみたい」

「この目で見て…空気を吸って」

「全身で味わってみたいんす……!」

久我「ほほー…」

「いい心がけだねぇ」


久我がパンと手を叩きハゲ達を呼びつける。

「ハイしゅうごー!」

ビシィィと綺麗に揃うハゲーズ

ソーマ(今までどこに居たんだ!?)




久我「最速で山へ入る手筈を整えてくれるー?幸平ちんの装備一式もぜんぶね」

「“しかるべきプロ”への依頼も忘れずにね」

ハゲ「押忍」

久我「進捗は随時報告よろ~~~」

「はいGO!!」と、パンッと再び久我が手を叩くと一斉にハゲが「押ぉ忍!!」と言いながら動き出す。

久我「ほれ!幸平ちんも身支度してー」

ソーマ「…うす!あざす久我先輩!!」

ブレザーをはおるソーマ。

ソーマ(勝機は必ずどこかにあるはずだ…まずは熊料理へのヒントを掴む!!)

(そんで今の俺が出せるすべてを皿にぶつけてやる!!)



場面は変わり、葉山が試作をしている様子を別室で堂島が見ている。

堂島「想像していた以上……だな」

「火入れの妙…香辛料の選択・活かし方…調理センスの全てが新たなステージへと変貌している 選抜のころとは比べ物にならない力を手にしたか」

「幸平…今のままのお前では」


もはや 勝てる相手ではないぞ……!!

不適な笑みを浮かべ香辛料を火のかかった中華鍋に放つ葉山



■掴め、打倒葉山の糸口―――!!






1
 2
 3
4
 5
 6
7
 8
 9
10
 11
 12

647二次これ投稿日:2016/XX/XX
っていうか堂島さんって選抜までのソーマしか知らんのか
スタジエール以降の実力知らないで今のままではとか大袈裟に言ってそう
ま、それでも葉山が上だから間違ってはいないんだろうが
650二次これ投稿日:2016/XX/XX
9席
葉山 → ソーマ → 久我 → 葉山

これの無限ループ?
651二次これ投稿日:2016/XX/XX
久我はソーマのご都合空間に飲み込まれて訳の分からん事を言ってるだけでは
八百長を容認してる絶対権力者になんてどうやって勝つんだよ
656二次これ投稿日:2016/XX/XX
>>651
ソーマの持つご都合空間スキルを借りようというわけだろ
652二次これ投稿日:2016/XX/XX
堂島さんはセントラルに対して何も思わないんだろうか・・・
流石に今回は何かしら反逆者達の手助けするべきだと思うんだが
中立っていうならあからさまにソーマ達不利な試験自体を何とかしろよ
654二次これ投稿日:2016/XX/XX
>>652
堂島「首になりたくないからな(にっこり」
657二次これ投稿日:2016/XX/XX
>>652
哀れな雇われ料理人にそんなこと言ったらアカン
653二次これ投稿日:2016/XX/XX
取締役会が最高意思決定期間なら同じ取締役と思われる緋沙子の父やレオノーラさんと組んで表立って反抗できたんだが

あんな歪な組織なら難しいだろ
655二次これ投稿日:2016/XX/XX
久我に対してソーマが疑問もったのはなんで久我が直接葉山とやらないかじゃないの
久我はすでに葉山に処られてそうだな

658二次これ投稿日:2016/XX/XX
>>655
今の中村体制が気に喰わないって言ってるのになんで十傑に戻りたがるのかってことでしょ>ソーマが疑問
659二次これ投稿日:2016/XX/XX
>>655
中村は「(一般生徒による)ゼミや研究会のとりつぶし奪還は無条件に受けるけど、元10傑の食戟は認めないよー」みたいなこと言ってなかったっけ。
660二次これ投稿日:2016/XX/XX
3人が十傑を降ろされることを中村が一色先輩に伝えてたときに言ってたな

「また十傑の座に就きたければ10人の誰かに食戟を挑むといい。
受けるものがいるとは思えないけどね」
671二次これ投稿日:2016/XX/XX
熊肉の扱いに経験がないのが悪いってのはなんだかなーって思う
熊肉なんてそもそもそんな使わんだろw
672二次これ投稿日:2016/XX/XX
勝負のお題が淋病肉だったら良かったのに
673二次これ投稿日:2016/XX/XX
中等部からの生徒なら熊肉くらい扱った経験あるだろうな
674二次これ投稿日:2016/XX/XX
熊肉の臭みを消すのは赤みそと白みそをあわせるとかあるな
675二次これ投稿日:2016/XX/XX
貞塚連れてくりゃ一発だったろうに
676二次これ投稿日:2016/XX/XX
臭みと言えば定塚さんの十八番
679二次これ投稿日:2016/XX/XX
なるほど。臭みが癖になるという逆転の発想か


1
 3
 5
4
 6
 7
8
 9
 10
12
 11
 2
 
 
 
 カテゴリ
このエントリーをはてなブックマークに追加